映画「美代子阿佐ヶ谷気分」を観に渋谷へ。
安部愼一は一番好きと言ってもいいくらい
好きな漫画家なので、正直観るのが怖かったけど
(自分の中のイメージがあるから)
意を決して行ってきた。
最初は、イメージの違いに戸惑うところもあったけど
途中から見事に引き込まれた。
映画としての出来栄えはわからないけど
(映画通ってわけでもないし)
所々で紡がれる「コトバ」や、
容赦無い(時に残酷ですらある)心象表現に
何度も涙を流した。
この作品を
「孤高の天才と彼を支えた恋人の愛の物語」
みたいなモノにだけはして欲しくなかった。
そういう意味で、この映画は良かった。
残酷なまでにリアルな心象表現の数々。
天才の苦悩 身勝手な性行為。
「僕は自分が体験した事だけを描きたいんです」
そんな動機で美代子の親友と関係を持ち、
罪悪感から自分の親友と美代子を関係させる。
そのくだりの(精神的な)壮絶さに、思わず目を逸らした。
そこに嘘がまったく無い。
後から取り繕ったようなキレイ事がまったく無い。
それは5度の発狂→精神病院の後のコトバにも
現れていると思う。
「部屋ですることが無くて、寂しくて泣くんです。
でも演技をしているのに気付いてやめるんです。」
自らの精神をギリギリ以上に追い込んで
(ついには発狂してしまうまで追い込んで)
その体験、心象、美しさ、醜さもを
すべてを注ぎ込んだ天才の作品は
40年近くたった今でも衝撃に満ちている。
何度も何度も泣いてしまった。
それは感動とか、悲しみとかではなくて。
壊れていく天才の姿が、ただただ胸に迫って。
嘘の無い話だけど、救いの無い話では無いと思う。
観終わった後、僕はやっぱり「美しい話」だと思ったので。
追記
観終わって映画館を出た後、前を歩いていた
女の子二人組みが「結局だめんずってコトかしら」
と言っていましたけど
こっちの方がもっとヒドイですよ(笑
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