2009年07月26日

美代子阿佐ヶ谷気分



映画「美代子阿佐ヶ谷気分」を観に渋谷へ。

安部愼一は一番好きと言ってもいいくらい
好きな漫画家なので、正直観るのが怖かったけど
(自分の中のイメージがあるから)
意を決して行ってきた。

最初は、イメージの違いに戸惑うところもあったけど
途中から見事に引き込まれた。


映画としての出来栄えはわからないけど
(映画通ってわけでもないし)

所々で紡がれる「コトバ」や、
容赦無い(時に残酷ですらある)心象表現に
何度も涙を流した。


この作品を

「孤高の天才と彼を支えた恋人の愛の物語」

みたいなモノにだけはして欲しくなかった。


そういう意味で、この映画は良かった。


残酷なまでにリアルな心象表現の数々。
天才の苦悩 身勝手な性行為。

「僕は自分が体験した事だけを描きたいんです」

そんな動機で美代子の親友と関係を持ち、
罪悪感から自分の親友と美代子を関係させる。
そのくだりの(精神的な)壮絶さに、思わず目を逸らした。


そこに嘘がまったく無い。

後から取り繕ったようなキレイ事がまったく無い。


それは5度の発狂→精神病院の後のコトバにも
現れていると思う。

「部屋ですることが無くて、寂しくて泣くんです。
 でも演技をしているのに気付いてやめるんです。」


自らの精神をギリギリ以上に追い込んで
(ついには発狂してしまうまで追い込んで)

その体験、心象、美しさ、醜さもを
すべてを注ぎ込んだ天才の作品は
40年近くたった今でも衝撃に満ちている。


何度も何度も泣いてしまった。

それは感動とか、悲しみとかではなくて。

壊れていく天才の姿が、ただただ胸に迫って。


嘘の無い話だけど、救いの無い話では無いと思う。


観終わった後、僕はやっぱり「美しい話」だと思ったので。


追記

観終わって映画館を出た後、前を歩いていた
女の子二人組みが「結局だめんずってコトかしら」
と言っていましたけど

あんなものと一緒にするべきではないと思う。

こっちの方がもっとヒドイですよ(笑

posted by めりん at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/124329967

この記事へのトラックバック